icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻13号

1983年12月発行

文献概要

論述

頸椎,頸髄損傷例における手術所見の検討—単純レ線との比較及び手術法の選択

著者: 佐々木邦雄1 角田信昭1 芝啓一郎1 権藤英資1 香月正昭1

所属機関: 1総合脊損センター整形外科

ページ範囲:P.1228 - P.1237

文献購入ページに移動
緒言及び目的
 新鮮頸椎,頸髄損傷に対する治療力針は諸家により異なり種々報告がある.我々は1979年当センター開設以来,本損傷に対して後述する適応に準じて手術的治療を行ってきた.我々の手術方針,手術法,成績等についてはこれまで報告してきた12,19,24〜26,31,32).手術的治療の目的は,脊柱アライメントの再獲得,脊椎管内迷入物の除去,外傷による脊椎の不安定性の除去による損傷脊髄に対する除圧であり,また,強固な固定により早期リハビリテーションを可能にすることにある.本損傷を上記目的で治療するにあたっては急性期の脊髄,脊椎への損傷の程度の把握および全身状態のチェックが重要な事柄である.脊髄の損傷の状態は神経学的所見よりある程度可能であり,脊髄誘発電位を利用することにより別の角度よりの機能の確認ができる14).損傷された脊髄病変が可逆的か否かは論争のあるところであり,損傷脊髄に対する治療的試みは外科的,内科的に行われているも一長一短があり確実なものはないと現時点では考えてよいであろう.脊椎の損傷の程度の把握は通常レ線所見にて行われ,分類は受傷メカニズムを加味したものが有用と考えられる20,34).損傷の程度をレ線学的に詳細に分類することは重要な面であるが1),治療を行うにあたっては損傷脊椎の安定化および損傷脊髄の除圧を考えることが必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら