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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻13号

1983年12月発行

文献概要

論述

新鮮小児上腕骨外顆骨折の手術適応決定におけるdisplaced fat pad signの意義

著者: 西島雄一郎1 山崎安朗1 東田紀彦1 片岡玲典2 林松夫3

所属機関: 1金沢医科大学整形外科学教室 2片岡整形外科 3林整形外科

ページ範囲:P.1249 - P.1256

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序言
 小児上腕骨外顆骨折(以下,外顆骨折と略す)の治療において,末梢骨片の転位軽度な症例を保存的に加療すると,思わぬ結果を招くことがある.諸家2,4〜6)の報告によれば,転位軽度な症例に,より多くの偽関節や外反変形の発生を見るという.その原因は,転位軽度な例は,転位の強い例に比し,ギプス固定等の保存的療法により加療されることが多いためと言われている5,6).このような偽関節や,外反肘発生を防止するためには,受傷時の時点で,正確に手術適応を決定する必要がある.
 Holst-Nielsen6)は末梢骨片の回転転位を有する例を,又,Flynn4)は末梢骨片の側方転位が3mm以上のものを,それぞれ,手術適応であると述べているが,現在のところでは,本骨折を保存的に加療した場合,頻回にレ線撮影を行い,末梢骨片の転位が増強すれば,その時点で手術的治療に移行するといった考え方10,15)が一般的である.しかし,上記の手術適応の決定は,いささか姑息的で,本骨折がSalter-Harris type IV16)の骨端線損傷を伴う骨折であること,又,陳旧例の本骨折の手術成績が必ずしも好結果を得ていないことを考えるとき,受傷時の時点で,できるだけ正確に手術適応を決定する必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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