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シンポジウム 電気刺激による骨形成
長管骨偽関節の骨髄内埋込み式電気刺激治療の臨床的検討
著者: 三浦幸雄1 近藤順1 楠岡公明1 関口孝雄1
所属機関: 1東京医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.1281 - P.1290
文献購入ページに移動近年骨折の外科的治療は一段と進歩したことは事実である.しかし一方では我々の臨床でも感染性偽関節や遷延治癒骨折など難治性の骨折に遭遇する機会も少なくなく,これらの治療に難渋させられることは今なお変りなく,整形外科の重要課題として残されている.近年は骨への微弱電気刺激の研究と臨旅応用が注目され,直流電気刺激の他に交流電気刺激,磁場や圧電膜などの各種電気刺激装置による臨床的治療が試みられている.我々は,1979年から微弱直流電流による電気的仮骨に関する基礎的研究と平行して骨髄内埋込み式の電気刺激装置(Osteostim)の臨床応用を行ってきた.今回は長管骨偽関節,遷延治癒骨折の治療経験を述べ,本法の特徴と共に若干の考察を加え報告する.我々の本治療法を試みた最大の目的は可及的早い骨癒合の獲得と早期の社会復帰を可能にする事の2点である.
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