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論述
大腿骨遠位骨幹端に生ずる骨皮質欠損・不規則像—実態ならびに臨床的意義
著者: 杉浦勲1 杉山晴敏1 渡部健1 小早川雅洋1 石川忠也2 浜田敏彰2
所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科学教室 2名古屋第一赤十字病院整形外科
ページ範囲:P.121 - P.136
文献購入ページに移動日常臨床において膝部のX線検査をする機会は多く,特に骨発育の旺盛な小児・学童期のX線像読影に際し,大腿骨遠位骨幹端に嚢腫様小骨透明巣や骨皮質の糜爛・不規則像をみることは稀ではない.かかるX線陰影を呈す骨病変に対する関心は1940年代より徐々にたかまって,その実態解明への努力は欧米において放射線医を主体に病理医や整形外科医などによりそれぞれの立場から続けられ,各種の名称のもとに続々と見解が示され,実態が明らかになってきたが,反面専門家として議論が偏向しがちで内容が噛み合わないまま多種多彩なsynonymとして集約される現況で,一般的には混乱傾向すら感じられる(表1).
著者も1960年以来名大病院骨腫瘍クリニックにおいて,研究課題の一つとして積極的に症例を重ね本病変の病態解明に努力してきた.
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