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論述
手掌動脈弓の臨床的意義の検討—先天奇形手と正常手の血管造影所見
著者: 加藤貞利1 石井清一1 荻野利彦1 森田穣2 篠原正裕2
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道大学医学部放射線科
ページ範囲:P.145 - P.153
文献購入ページに移動上肢先天奇形の血管は,その走行や形成に異常を伴う場合が少なくない.血管造影により血管の状態を把握することは,治療に際して役立つばかりではなく,上肢先天奇形の発現様式や分類を考える上にも興味あることと思われる.さて,Singer5)は上肢の血管の発達を五段階に分けて想定し,血管の異常像の成立過程を発生学的に説明している.しかし,手掌動脈弓の形成過程に関しては詳しい分析はなされておらず,浅掌動脈弓および深掌動脈弓の異常像の臨床的意義は,まだ不明である.今回著者らは上肢先天奇形における手掌動脈弓の形態の異常を分析し外表奇形との関連性を検討した.その際,奇形を伴わない上肢の血管造影所見との比較を行った.
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