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文献概要
症例検討会 骨・軟部腫瘍11例
症例5—右大腿軟部悪性腫瘍
著者: 津田暢夫1 田中宏和2 小西宏昭2 岩崎勝郎2 鈴木良平2
所属機関: 1長崎大学検査部病理 2長崎大学整形外科
ページ範囲:P.273 - P.275
文献購入ページに移動病歴:昭和55年5月,右下腿の疼痛とシビレ感を訴え,11月には下腿以下の麻痺を生じた.翌年10月,腫瘤が徐々に増大してきたので長崎大整形外科を受診した.初診時,右大腿後方は腫脹し深部に12×20cm大,弾性硬,境界不明瞭な分葉状腫瘤を触知した.術前の血管造影では腫瘤に一致して新生血管の増生がみられ,血管の蛇行・圧排・途絶像やtumor stainなど悪性を思わす所見がみられた(図5-1).10月下旬,軟部悪性腫瘍として腫瘍を摘出し,再発防止の目的で局所に5,000rad術後照射し,全身的に抗癌剤を投与した.現在,術後約9カ月経過したが局所再発や転移はみられない.また,転移性腫瘍の疑いもあるので原発巣の検索を行ったが現在まで発見されていない.
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