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症例検討会 骨・軟部腫瘍11例
症例9—幼児右環指骨腫瘍
著者: 安藤正1 高橋定雄1 高見博1 櫛田和義1 加藤明1 粟山節郎1 渡辺正紀1 黄川昭雄1 橋本敬祐2 福島弘毅3
所属機関: 1関東労災病院整形外科 2関東労災病院病理 3福島外科クリニック
ページ範囲:P.283 - P.286
文献購入ページに移動2歳4ヵ月頃,感冒症状を前駆に右環指が腫れ近医受診.その後数回,同部の腫脹と消退を繰返し,昭和54年2月12日当科を初診した.右環指は軽度腫脹し,発赤,熱感,疹痛,運動制限はなかった(図9-1a).X線所見は基節骨に不規則な骨硬化像と橈側の骨膜反応,骨皮質の一部破壊がみられた(図9-1b).54年5月18日,open biopsyを施行した,皮下組織には著変なく,骨膜下に白色不透明なやわらかい組織がみられ,骨皮質を一部破り骨髄腔にも充満していた.炎症,腫瘍を疑ったが,組織診断が確定しないまま来院しなくなり,2年間蓮見ワクチン療法を行っていた.
56年5月初旬,急に環指が腫れ再び来院.右環指は著明に腫脹し,赤褐色,弾性軟で,軽度の発赤,熱感,疼痛があった(図9-2a).
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