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特集 上位頸椎部の諸問題
頭蓋頸椎移行部奇形におけるCTの診断的価値
著者: 宮坂和男1 井須豊彦1 阿部悟1 竹井秀敏1 金田清志2 都留美都雄3
所属機関: 1北海道大学医学部放射線学教室 2北海道大学医学部整形外科学教室 3北海道大学医学部脳神経外科学教室
ページ範囲:P.387 - P.393
文献購入ページに移動頭蓋頸椎移行部奇形は,診断上の盲点となり易く,しばしば脱髄変性疾患,脳血管障害,時にはヒステリーなどと誤まられる事がある.複雑な脳神経の配列,錐体路の交叉などの延髄—脊髄移行部の解剖学的特徴20)に加え,厚い側頭骨陰影は一般単純撮影,断層撮影ばかりでなく,造影検査での詳細をも障害する原因となる.
Computed Tomography(CT)は非侵襲的,且つ高い密度分解能をもつ検査法として,脳神経疾患の診断に広く利用されて来ており,更に,脊椎・脊髄疾患,及び頭蓋頸椎移行疾患にも5,7,10〜14,17),その適応が拡げられて来ている.特に最近のCT scannerの解像力は,頓に向上して来ており,本報告では,主に高解像力CTを用いた頭蓋移行部奇形の診断について検討する.
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