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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻4号

1983年04月発行

文献概要

特集 上位頸椎部の諸問題

頭蓋頸椎移行部奇形の臨床的検討

著者: 島崎和久1 正田悦朗1 原田俊彦1 中林幹治1 池田正則1 藤田直己1 松田俊雄1 木村浩1 広畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.413 - P.420

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はじめに
 頭蓋頸椎移行部は発生学的にみると非常に複雑な発生形態であることや,この部で神経管の閉鎖が最も遅れることなどから,種々の奇形が発生しやすい部位である.しかし奇形の存在が必ずしも臨床症状を呈するわけではなく,無症状のまま生涯を終える場合も少なくないが,いったん神経症状を来した症例では,漸次増悪すると言われている19).頭蓋頸椎移行部は整形外科と脳神経外科との境界領域であり,ともすればX線読影に当っても見過ごしやすい部位である.臨床症状も頸部脊髄症状を主体としたり,脳神経症状のみを呈する場合もあり,頭蓋頸椎移行部奇形に対する正しい認識がないために内科的神経疾患や精神疾患として治療を受け,神経症状がかなり進行してから外科的治療を受ける場合も少なくない.従って,我々整形外科医にとっても充分認識しておくべき疾患である.
 頭蓋頸椎移行部奇形には表1に示すようなものがあるが,今回は我々の教室における症例をもとに,頭蓋底陥入症,先天性第2・3頸椎癒合(以下C2/3癒合と略す),環椎奇形について,頻度,臨床像,並びにこれらの奇形のもつ臨床的意義について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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