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特集 上位頸椎部の諸問題
Syringomyelia—14例の検討
著者: 三井公彦1 井上駿一1 千賀啓功1 板橋孝1 大塚嘉則2 礒辺啓二郎2
所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室 2国立療養所千葉東病院脊椎脊髄センター
ページ範囲:P.421 - P.428
文献購入ページに移動Syringomyeliaは,脊髄内にSyrinxを形成し,脊髄の腫大を来たす疾患で,更に,このsyrinxは,多くのものが第四脳室,くも膜下腔とも交通している(communicating type).その病因としては,1965年のGardnerの発表以来,頭頸移行部奇形(Arnold-Chiari奇形など)に基づく髄液還流の異常が考えられている6).
本症の治療成績は,単なる椎弓切除術のみでは不良であったが,1965年Gardnerが自説に基づき,後頭下開頭及び中心管塞栓術を行い,飛躍的に良好な結果を報告した6).しかし,その後,このGardnerの手術の他に,脊髄切開術(syringotomy),脳室—腹腔シャント4,11),terininal ventriculostomy7)等と種々の手術的治療が行われるようになったが,遠隔成績では,いずれも未だ十分なものとはいえない12,24).
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