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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻4号

1983年04月発行

文献概要

特集 上位頸椎部の諸問題

リウマチ性頸椎環軸関節転位—主として手術的治療の適応について

著者: 河合伸也1 服部奨1 斎木勝彦1 今釜哲男1 小田裕胤1 中村修二1 多原哲治1 住浦誠治1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.475 - P.479

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 慢性関節リウマチ(以下RAとする)患者では四肢の諸関節に病変がみられるだけでなく,頸椎においても種種の変化が高頻度に出現することはすでに充分に知られている.頸椎の病変のうちでも,環軸関節部はとくに侵されやすく,しばしば環軸関節の転位が認められる.これらの頸椎の病変によって頸部痛や頸椎運動障害など種種の症状が高頻度に出現してくるが,RA患者では四肢諸関節の障害強く,さらに全身状態の低下をも伴うこともあって頸椎の病変に由来する症状は看過されることが多い.また,環軸関節転位を有する症例では頻度が少ないとはいえ,脊髄の圧迫症状が見られることがあり,RA患者の機能障害に一層拍車をかけることとなるばかりでなく,突然死の危険もあって,環軸関節転位には十分留意する必要がある.
 RA患者における環軸関節転位に対しては多くは保存的に対応するが,頑固な疼痛が持続する場合や脊髄圧迫症状が明らかである場合などでは手術的治療が必要である.しかし手術的治療の決定に際しては脊髄圧迫症状の程度だけでなく,四肢諸関節の障害の状態や全身状態など臨床所見を十分に把握しておき,さらに自然経過をも考慮したうえで,慎重に対応することが肝要である.そこで,ここでは主として手術的治療の適応を考察するにあたり,手術的治療の選択に必要な臨床所見の分析,自然経過の推測,手術施行症例の検討について私達の経験を基として述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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