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論述
痙性股関節障害に対する軟部手術の効果—特に重複障害児について
著者: 沖高司1 村地俊二1 野上宏1 篠田達明1 夏目玲典2 山田正人2
所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー中央病院 2第1青い鳥学園
ページ範囲:P.491 - P.498
文献購入ページに移動股関節周囲筋の痙直性による筋力不均衡のため起る痙性股関節障害は,起立および座位バランスに影響を及ぼし,運動発達に支障をきたす.これらの痙性股関節障害は内転,内旋筋群のpassive stretchingとか装具等による保存的治療に抵抗を示すことが多い12〜15).そのため,内転筋群の解離および閉鎖神経の処理等による軟部手術が広く行われている1,3,5,9,10,12,14).これらの手術は術後の筋力低下とか外反股等骨変形の継続といった問題点を残してはいるが,一般に良好な治療成績が多数報告されている.しかし,知恵おくれ等を合併した重複障害児においては,手術による効果が直接運動発達に結びつくことが少なく,手術すべきか判断に苦慮することが多い.
今回,我々は昭和47年から53年までの7年間に施行した軟部手術100例の中,1年以上経過観察でき,かつ立位での移動手段が確立されていない67例,121関節について,X線上の変化と運動機能面での追跡調査を行ったので報告する.
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