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論述
膝関節anterolateral rotatory instability(ALRI)に対する動的制動術「腸脛靱帯補強術」について
著者: 史野根生1 川崎崇雄1 広瀬一史1 井上雅裕1 後藤一平1 小野啓郎1
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.509 - P.514
文献購入ページに移動膝関節のanterolateral rotatory instability即ちALRIは,外側脛骨プラトーの前方亜脱臼を本態とし,主に前十字靱帯機能不全に起因する不安定性であるが,瞬時に起こる外側脛骨ブラトーの亜脱臼,およびその整復現象がgiving wayとして自覚されるため,disabilityが大きく,本病態に対する再建手術もひろく行われるようになりつつある.
しかしながら本病態に対して,前十字靱帯の解剖学的再建術のみを行った場合,再建靱帯の引っ張り強度が,いかなる方法を用いても不充分であるというのは,諸家の報告4)より明らかであり,また,陳旧例では"secondary restraint"7)である外側関節包靱帯(lateral capsular ligament)などが弛緩していることが多く,外側構成体に対する何らかの補強を,解剖学的前十字靱帯再建術に追加することが望ましいと考えられる9).
我々はALRIに対して外側での関節外追加手術として,「腸脛靱帯補強術」を考案し用いている.本術式の意義を検討する為に,本術式を用いた症例の成績の検討を行った.
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