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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻5号

1983年05月発行

文献概要

論述

楔状足底装具(足底板)の動的評価について(第1報)

著者: 山崎裕功1 宮永豊1 矢野英雄2 黒沢尚3 加倉井周一4 数藤康夫4

所属機関: 1中央鉄道病院リハビリテーション室 2東京大学医学部整形外科学教室 3東京都立台東病院整形外科 4東京都立補装具研究所

ページ範囲:P.531 - P.540

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はじめに
 変形性膝関節症は日常診療で頻繁に扱う疾患であり,経過が長く治癒が期待できないために,整形外科医にとって常にやっかいな疾患の一つである.変形性膝関節症の多くは,内側関節裂隙が狭小化して内反変形を生じており,さらに軽度の屈曲拘縮と側方動揺が加わって,膝関節の痛みと腫脹が主症状となっている.この疾患に対する保存的治療法として楔状足底装具(以下「足底板」とする.)を装着する方法が1〜4),近年注目されてきている.この療法は,足底板装着により下肢アラインメントの矯正を図り,膝の痛みを軽減させることを目的としたが,その除痛効果のメカニズムについては,静力学的立易から言及したものが大部分5〜8)で,歩行時の除痛効果を解明するには自ら制約がある.内反変形を示す患者に足底板を装着させて歩行させた時,しばしば「歩き易い」,「足の運びが軽い」と訴えるが,これは下肢アライメントの矯正が立脚期全体を通じて生じているものと考えられる.このことから楔状足底板の作用機序を歩行解析装置を用いて,運動学および運動力学的に検討することとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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