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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻6号

1983年06月発行

文献概要

シンポジウム 先天股脱初期整復後の側方化

初期治療終了後の骨頭側方化の自然経過—放置最善説の根拠

著者: 坂口亮1 君塚葵1 田中豊孝1 永田善郎2 岩谷力3 原勇4 板垣敏明5

所属機関: 1心身障害児総合医療療育センター 2東京大学医学部整形外科 3静岡こども病院整形外科 4原整形外科病院 5日本大学医学部整形外科

ページ範囲:P.633 - P.638

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はじめに
 先天股脱の初期治療が終って,子供が下肢平行位で自由に歩き回る頃に,X線上骨頭側方位がみられることが多い.このような状況に直面した場合,整形外科医師の態度は基本的に二つに分れる.その一つは,X線上の骨頭側方位を即遺残亜脱,そして将来の骨関節症に直結するものとして,それを防止するためには,できるだけ早い時期に徹底的改善策を施してその後の好ましい成長発育を導くべきであるという態度である.(方法として,装具の工夫など保存的なものと,各種骨盤骨切りを主とする補正手術など観血的のものとがあるが,その基盤となる理念は同じである.)これに対して別の姿勢は1,2歳代でみられるX線上の骨頭側方位は時期的な一過程とみて意に介さず,子供自身の自然好転を期して経過を看視するだけというものである.我々はもとより後者に属するので,現今の整形外科医師による装具や手術の濫用には反撥や抵抗を感じる.幸いこの問題についてシンポジウムの機会を与えられたので,我々の経験から生れた信条を述べたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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