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シンポジウム 先天股脱初期整復後の側方化
初期整復後の大腿骨頭側方化に対する治療方針
著者: 野村隆洋1 寺山和雄1
所属機関: 1信州大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.639 - P.645
文献購入ページに移動先天股脱の初期治療終了後(観血整復を含む),下肢が平行位になって歩行を始めるようになってから,骨頭の側方化を生じる例は非常に多い.いちおうCE角が負になるものを側方化とみなすと,RB整復例では約3割に,徒手整復例では6割に,観血整復例では8割にも認められる.しかしその原因はいちようでなく放置しても自然に改善されるものから,何らかの追加手術を要するものまでさまざまであり,いちように論じることはできない.側方化の原因,予後および対策は,初期治療がいかに行われたかによってだいたい決まってくる.側方化を生じた例に対しては,経過観察のみか,手術を行うかどちらかであり,装具等の保存的治療はまったく行っていない.以下初期治療時の整復法別に,症例を呈示しながら側方化に対するわれわれの治療方針について述べる.
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