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シンポジウム 先天股脱初期整復後の側方化
乳児先天股脱におけるOHT法および観血的整復術後の骨頭側方化について
著者: 大野恵一1 増田武志1 紺野拓志1 東輝彦1 高橋賢1 長谷川功1 松野丈夫1
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.647 - P.653
文献購入ページに移動乳児先天股脱に対する機能的療法,なかでもRiemenbügel(以下R. b.)による療法の普及により治療成績は著しく向上してきた.
しかし,多くのR. b.整復率の報告1,5,8)をみても一般的に10〜20%の症例において整復不成功とされ,R. b.による整復の限界と思われる症例は少なからず存在する.このような症例に対してはOHT法や観血的整復術による整復が行われるが,整復前より存在する種々の整復障害因子は観血整復によっても完全に解決することは難しく整復後に問題を残す場合が多い.なかでも骨頭側方化は日常診療上しばしば遭遇するもので,我々はその対策の一つとして,股関節外転筋力の増強を意図した可動式開排装具(シコフミ装具)を用いている.
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