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論述
前脊髄動脈症候群の治療—Adamkiewicz arteryへのcatheterization
著者: 川岸利光1 樋口雅章1 中村孝1 馬場久敏1 高橋啓介1 東野修治2 原田征行2 近江洋一2 杉木繁隆3
所属機関: 1富山県立中央病院整形外科 2弘前大学医学部整形外科学教室 3舞鶴共済病院整形外科
ページ範囲:P.693 - P.701
文献購入ページに移動脊髄循環障害に基づく前脊髄動脈症候群は1908年,Preobraschenski3)の記載以来,近年多くの報告をみている.本症候群の発生原因は不明なことが多いが,その臨床症状は特徴的であるので,診断は比較的容易である.しかし治療法に関してこれまで言及した報告は少ない.
1977年以来,われわれは14例の前脊髄動脈症候群に対しselective spinal cord angiography(以下angiography)を施行後,catheterよりAdamkiewicz arteryに直接ウロキナーゼ,副腎皮質ステロイドを注入(以下catheterization)し,術後良好な成績が得られたので,症例を検討し,その有用性について若干の考察を加え報告する.
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