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論述
膝関節後十字靱帯新鮮損傷の治療について
著者: 水島斌雄1 岩田清二1 佐々木孝1 高山真一郎1 中邨裕一1 根本哲夫1 柳本繁1 磯田功司2 大岩俊久2 小山明2 伊勢亀冨士朗3
所属機関: 1済生会神奈川県病院整形外科 2静岡赤十字病院整形外科 3慶応義塾大学整形外科
ページ範囲:P.803 - P.812
文献購入ページに移動後十字靱帯(以下PCLと略す)は膝関節を構成する靱帯中最も強靱なもので,前十字靱帯(以下ACLと略す)の2倍以上の太さと強度を有している4,6).PCLは従来ややもすると,ACLや内側側副靱帯(以下MCLと略す)等に比べてその機能が軽視されていたが18),最近の膝のbiomechanics1),診断法3,5,8,10,12,14,20,21),手術法の進歩に伴って,basic stabilizerとしての機能が高く認識されてきた.PCL損傷では,膝関節運動の回旋中心に偏位が生じ3,4),反張膝,屈曲位における脛骨の後方亜脱臼やinstability等の重度機能障害を起こしてくるので,受傷時における正しい診断と処置が予後を決定する重要な因子となる.
われわれは今回20例のPCL新鮮損傷手術例について検討を加え,若干の知見を得たので報告し大方の参考に供したい.
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