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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科18巻9号

1983年08月発行

文献概要

論述

特発性軽度側彎症の悪化要因について—椎体楔状化の意義

著者: 篠遠彰1 井上駿一1 北原宏1 南昌平1 大塚嘉則2

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室 2国立療養所千葉東病院整形外科

ページ範囲:P.813 - P.822

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 学校保健法施行規則の一部改正が1979年4月に施行されてより,毎年学童の脊柱検診が全国的に行われ,脊柱側彎症の早期発見に努力が払われている.その結果,多くの学童が側彎症の疑いで整形外科医を訪れている.一般にCobb角15°以上の側彎は,小学生で0.5%,中学生で1.5%8)であるが,このものの中にも姿勢不良など一過性のものが含まれており,これらから真の側彎症を見分け,しかもそれらが進行するか否かを判別するのは往々困難であり,いたずらに患者及び家族に不安を抱かせる事になりかねない.側彎症の初期段階でその予後を知る事は,治療上はもちろん社会的にも重要であるが,不幸にして未だ確実な方法はない.
 筆者らは,千葉大学整形外科を訪れた軽度側彎のX線像より,予後判定の指標が得られるかどうかを調べる目的で,特発性軽度側彎100症例の経過を観察し,その進行様相についてX線学的検討を行った.その結果についてはすでに筆者10)が一部報告しており,側彎増悪の可能性が高いriskfactorとして次の4つを挙げた.(1)初診時,側彎度が15°以上である.(2)ダブルカーブパターンや,シングルカーブでは,右胸椎型や左上位胸椎型,(3)Iliac apophysisがRisser 3以下.(4)椎体のwedgingとrotationが共に認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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