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シンポジウム 悪性軟部腫瘍の病理診断をめぐって
免疫組織化学及び組織化学的アプローチ
著者: 向井万起男1 高桑俊文2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室 2聖マリアンナ医科大学病理学教室
ページ範囲:P.831 - P.837
文献購入ページに移動悪性軟部腫瘍の組織学的診断には,従来より用いられている各種の染色が,極めて有効であることは言うまでもない.H-E染色をはじめ,銀染色,PAS染色,PTAH染色などの組織化学的検索の意義,有用性については,すでに広く知られており,今更言及する必要もないと思われる.
しかしながら,これら各種染色の結果から適切な組織学的診断を下すには,しばしば豊富な経験が必要とされるということも良く知られるところである.こうしたことは,あらゆる分野の病理診断に際して当然のことであるが,とくに悪性軟部腫瘍の診断に際して強調されるところである.限られた専門家の経験に委ねられる範囲をできるだけ少なくし,より多くの人々に理解し得る客観的マーカーを見出すことが待たれるわけである.今回は,酵素組織化学及び免疫組織化学的検索の悪性軟部腫瘍の診断における意義と有用性について検討した.
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