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検査法
膝半月板傷害に対する透視下二重造影法
著者: 山上剛1 前山巌1 鱸俊朗1 益永恭光1
所属機関: 1鳥取大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.885 - P.891
文献購入ページに移動膝内障のなかでも最も頻度の高いものとして半月板傷害があげられる.半月板傷害の診断にあたっては注意深く行う必要があるが,詳細な病歴の把握と理学的所見によって診断可能なものも多い.しかし,明らかな外傷のないもの,病歴の不明瞭なもの,半月板傷害が強く疑われるが確定しえないものに対する確定診断,あるいは傷害の部位や状態を知るためには関節造影は欠くことのできない補助診断の一つである.
膝関節造影法はWerndorff & Robinson(1905)に始まりBircher & Oberholzer(1934)の二重造影法を経て種々の改良が加えられてきた.そしてLindblom(1948),Andren & Wehlin(1960)3)によって一応の確立をみたと思われる.しかし,さらに診断適中率を向上させるためには,より簡単手技で読影に耐えうる造影像を描出すべき努力が必要となる.Butt & McIntyre4),Ricklinら20)による透視下二重造影法やFagerberg,Anderson & Maslin2)による断層造影法も一つの試みと思われる.
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