文献詳細
文献概要
論述
高解像力CTによる脊髄腫瘍の診断
著者: 井須豊彦1 阿部弘1 宮坂和男2 竹井秀敏2 阿部悟2 岩崎喜信1 宝金清博1 都留美都雄1 藤谷正紀3
所属機関: 1北海道大学医学部脳神経外科 2北海道大学医学部放射線科 3北海道整形外科記念病院
ページ範囲:P.11 - P.19
文献購入ページに移動脊髄腫瘍の診断には,従来,頸椎単純撮影,脊髄造影,血管造影等の検査が用いられてきたが,全身用CT scannerの登場により,これまで診断が困難であった腫瘍自体の描出が可能となり,しかも’非侵襲的に,横断面における情報が容易に得られるようになったことは大きな進歩であった.しかし,初期のCTでは,X線吸収値の非常に低い脂肪腫や6,9,12)X線吸収値の非常に高い石灰化髄膜腫12)が描出されるのみであり,軟部組織陰影個々の識別はかならずしも容易ではなく,plain CTにて,得られる情報は乏しかった6,12).最近,CTの分解能のめざましい向上により,軟部組織陰影の識別は容易となってきている.今回,我々は,高解像力CT(Siemens社Somatom 2)にて,経験した脊髄腫瘍に関して,とくに軟部組織陰影の描出能につき,検討を加えたので報告する.
掲載誌情報