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シンポジウム 関節鏡視下手術
鏡視下半月板切除術の術式および術後成績の検討
著者: 守屋秀繁1
所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.49 - P.54
文献購入ページに移動1962年,渡辺によりバケツ柄状損傷に対し初めて行われた鏡視下半月板切除術は,その後,種々の手術手技の開発,進歩と共に,関節鏡,手術器具,最近ではビデオシステムの進歩と相まって,現在では世界的に一種のブームになっている.
鏡視下半月板切除術は,創が小さく従って手術侵襲が小さい事や社会生活またはスポーツ活動への早期復帰などの他に,常に残った部分の半月板の損傷状態を確認しつつ切除を最小限に,しかも必要部分は充分に,かつ確実に行う事ができるなどの利点がある.さらに症例によっては,より短時間に簡単に切除術を遂行できる場合もある.しかしながら鏡視下半月板切除術を行うためには,充分な半月板病態に対する知識と診断技術を持ち更に手術操作にも習熟している事が必要であろう.さもなければ,やたらに長い手術時間を要したり,関節軟骨などを損傷してしまう結果となってしまう.従って何らかの事情により鏡視下切除を完遂できない場合は,躊躇無く関節切開を行い直視下に半月板切除術を行うべきであると考える.
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