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シンポジウム 関節鏡視下手術
膝関節鏡視下手術の為の診断法
著者: 伊藤一忠12
所属機関: 1京都大学医学部解剖学第III講座 2京都大学医学部附属病院整形外科
ページ範囲:P.65 - P.71
文献購入ページに移動近年関節鏡検査8,9)は関節疾患の診断上必要不可欠な補助診断法へと発展し広く普及している.従来知られていなかった関節内病変も次々と解明され臨床的に有用であることが立証された.この発展・普及に伴って関節内病変を鏡視下に処理しようとする試みが多くのArthroscopistによって行われている.特に膝関節においては1959年渡辺式21号関節鏡の開発と膝関節鏡視法の確立以来急速に普及し,様々な関節鏡や手術用器具が試作・開発されると共に種々の鏡視下手術術式が開発されつつある.症例によっては劇的な効果が得られ,膝関節機能への影響も軽微であるため一種のブームとなっているが,未だ確立された治療法ではなく今後更にArthroscopist,光学・工学技術者による創意工夫によって手術用関節鏡,手術器具の開発や手術術式の確立および予後の判定などが要求される分野であり,現状ではこれらを念頭において詳細な鏡視診断を行い,その適応と術式をよく検討した上で施行するべきである.
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