icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻10号

1984年10月発行

文献概要

論述

アルミナ・セラミックスを用いた人工関節

著者: 大西啓靖1

所属機関: 1国立大阪南病院整形外科・人工関節クリニック

ページ範囲:P.1078 - P.1092

文献購入ページに移動
はじめに
 最近,物理的,化学的に極めて安定で,生体適合性に優れたアルミナ・セラミックス(Al2O3)が注目され,現在は股関節において,アルミナ・ソケット対アルミナ・骨頭の組合せのものとUHMWPE(Ultra-high molecular weight polyethylene超高分子量ポリエチレン)・ソケット対アルミナ・骨頭の組合せのものが用いられている.
 われわれは金属よりもアルミナに対するUHMWPEの耐摩性が優れるという利点を摩耗試験により確認し,アルミナ・骨頭対UHMWPE・ソケットの組合せの人工股関節を使用している.膝関節についてもシミュレーター試験により同様の結果を得ている.また,金属表面の粗さは凹凸様々であるが,アルミナの表面の粗さは凹んだ粗さであり耐摩耗性ばかりでなく,潤滑性にも優れている.しかし,アルミナに強度の問題があり,ステムには今も金属を用いている.一方,われわれは足関節に対して骨セメントを使用せず,骨との結合部をアルミナ,摺動部をアルミナ対UHMWPEの組合せの人工足関節を開発し,10数関節に使用し,最長5年を経過している.同様に肘関節にも約20関節行い,問題点を検討し,これらアルミナの特性,実験結果,臨床経験より,骨セメントを使用しないアルミナ人工膝関節を開発し,1981年11月より,約200関節に臨床応用してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら