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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻10号

1984年10月発行

文献概要

手術手技シリーズ 脊椎の手術・23

胸椎および胸腰椎移行部 脊椎カリエス,化膿性脊椎炎に対する手術

著者: 百町国彦1

所属機関: 1国立療養所札幌南病院整形外科

ページ範囲:P.1133 - P.1147

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はじめに
 脊椎カリエス(以下,カリエスと略す)と化膿性脊椎炎との間で,手術手技には,とくに大きな差はない.但し,術中所見の相違点として,化膿性脊椎炎の場合,以下のようなものが挙げられる.即ち,胸椎部では,病巣周辺で壁側胸膜と肺胸膜とが癒着していることがあるが,カリエスと違って,これは通常薄く,容易に剥離できる程度の線維化であることが多い.椎体周辺の腫脹部に,しばしば,浮腫や充血をみる.この壁を開くと,壊死化肉芽組織が現われるが,膿はほんの少しか,あるいは全く認めないことが多い.病巣内には,当然,乾酪変性組織はなく,腐骨片や椎間板壊死片がみられるが,椎間腔は高度の狭小化を示し,周囲の骨硬化が著明である.本症による脊髄麻痺は,従って,膿によるよりは,椎体の圧潰,そして腐骨や壊死椎間板,肉芽組織の脊柱管内への突出で起こることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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