文献詳細
整形外科を育てた人達 第20回
文献概要
はじめに Schmorlは整形外科医ではない.彼は病理学者で,特に骨の病理に研究を集中し,脊椎の病理の研究のために,Dresdenの市立病院に於て病理解剖する時には脊柱を取り出し一大脊椎標本室を設立した.そしてレントゲンの専門家であるHerbert Junghannsの協力を得て脊椎の生理的な変化と病的な変化を詳しく判別した.その業績により整形外科に於て脊椎疾患の診断は急速に進歩したと言っても過言ではないと思う.筆者の恩師神中正一先生が昭和4年の第4回日本整形外科学会の宿題報告「脊椎畸形」に於て,Schmorlの研究業績を日本人の脊椎について確かめ,新しくレ線撮影法も考案し,特に脊椎分離症では斜方向の撮影により診断をしやすくされたことを思い出す.
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