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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻11号

1984年11月発行

文献概要

臨床経験

Acrosyndactylyに合併したepidermoid cystの1例

著者: 荻野利彦1 薄井正道1 菅原誠1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1285 - P.1288

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 手部に発生する軟部腫瘍の中でepidermoid cystは腱鞘よりの巨細胞腫,血管腫およびグロームス腫瘍と並んで発生頻度の比較的高い腫瘍である1,13〜16).Epidermoid cystの原因としては,一般に外傷による上皮組織迷入あるいは,胎生期の上皮組織の残存が考えられている.一方,King7)は外傷によりできた血腫あるいは慢性の炎症病巣が原因になりepidermoid cystを形成する可能性を指摘しており,その成因については未だ議論のあるところである.ひるがえって,acrosyndactylyは先天性絞扼輪症候群の表現型の一つであり,胎生期における指放線形成後の障害により成立することが明らかにされている8).先天性絞扼輪症候群の合併症としては,種々のものが報告されているが,epidermoid cystを伴った症例の報告はみられない9).今回,著者らはepidermoid cystを合併したacrosyndactylyの1例を治療する機会を得たので,本症例におけるepidermoid cystの発生原因に検討を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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