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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻12号

1984年12月発行

文献概要

論述

生体力学的にみたペルテス病の発生—軟骨浮腫の仮定にたって

著者: 上尾豊二1 堤定美2 山室隆夫1 奥村秀雄1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2京都大学医用高分子研究センター

ページ範囲:P.1365 - P.1373

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はじめに
 ペルテス病の原因の究明には,主に組織学的な所見よりの考察がなされ,そこでは骨頭内の壊死が広範にみられるところから,栄養血管の閉塞が病因であるとする考えが最も一般的である.そして,その血管閉塞をきたす原因としては,広義の外傷による動脈の狭窄9),滑膜炎に伴う関節内圧の増大による血流障害,関節軟骨の浮腫による骨頭栄養血管の閉塞等1)が考えられている.しかし,血管閉塞がペルテス病の一次的な病因であるならば,本来血管の豊富なメタフィージスの骨変化をどのように説明するのであろうか.また,骨端核の壊死性変化はしばしば外側より認められ,この部は栄養血管の進入部でもあるから,阻血性壊死のばあいには血管支配の末梢部より壊死が進展するという原則にも矛盾していることになる.
 ところで我々はペルテス病の初期において,骨変化を全く認めない段階において,股関節関節裂隙の拡大を認めることを経験する(図1-a,b).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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