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臨床経験
サファイア・スクリューの臨床応用
著者: 浅田莞爾1 斧出安弘1 楠正敬1 吉田研二郎1 斎藤英雄1 飯田伊佐男1 安部治郎1 佐々木健陽1 田中直史1 坂本和彦1 島津晃1
所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1403 - P.1409
文献購入ページに移動単結晶アルミナ・セラミック・スクリュー(サファイア・スクリュー)は京セラ(バイオセラム®)により開発され,整形外科領域における基礎的研究,臨床的応用が敷田12)らにより始められ,優れた生体親和性を有し,従来の金属スクリューを越える可能性を有する生体固定材料として広く本邦で利用されるに至っている.その高い生体親和性は蟹江6,7),Mckinney9)らの主として組織学的な実験検索により実証され,また現在までの種々の臨床応用を通じて確認されている3〜5).しかしその反面,種々の短所,欠点について論じられつつあるのも事実である.すなわちセラミックスであるがゆえの脆性,少ない弾性,生体との大きな弾性差,さらに脆性のために手術に際し注意深いとり扱いが必要であり,またceramic同志あるいは金属との直接接触するような併用の不可能などが大きな使用上の弱点として考えられる,したがって,大井,大西11)がのべているように当初,金属スクリューに代る生体材料として登場したサファイア・スクリューは現在では一般末梢骨の接合よりもむしろ生体内深部の骨接合,移植骨の固定,セラミックインプラントの固定など,独自の用途に使用されているのが現状である.当教室でも昭和55年以来サファイア・スクリューを主として骨固定材料として臨床に用いてきたので,今回短期的ではあるが,その臨床における実際,および使用経験を通じての問題点について報告する.
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