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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻3号

1984年03月発行

文献概要

症例検討会 骨・軟部腫瘍13例

〔症例5〕神経原性肉腫の1例

著者: 折戸隆1 前山巌1 古瀬清夫1 稲田治1 森本兼人1 湯本東吉2

所属機関: 1鳥取大学医学部整形外科 2鳥取大学医学部病理

ページ範囲:P.251 - P.253

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 患者:45歳,女性.昭和56年2月右踵骨部に釘が刺さり,その後同部に腫瘤が出現した.同年6月にはクルミ大となり某医にて腫瘤摘出術を受けた.同時期に右膝窩部の腫瘤に気づき,しだいに増大した,10月19日に当科を受診した.右踵骨部には潰瘍形成を認めるが,腫瘍形成はなかった.右膝窩部には7×6cm,ゴム様硬にて境界明瞭な腫瘍が存在した.10月29日に右大腿中央より切断し,その後ADRを中心に化学療法を施行した.昭和57年3月両肺へ転移,4月右鼠径リンパ節へ転移し,5月右鼠径リンパ節摘出術を施行した.7月19日全身転移にて死亡した.
 I)踵骨部の腫瘍:病理組織学的所見;HE染色では腫瘍細胞は中等度類円形の核をもち,敷石状に増殖していた.一部では腫瘍糸即i包が横に並ぶ様な部位も散見された(図5-1).強拡大では胞体境界は不明瞭で,核分裂像が多数認められた.鍍銀像では好銀線維はほとんど認められず,血管周囲から仲びる程度だった.好銀線維の比較的豊富なところでも管腔形成は認められなかった(図5-2).PAS染色ではごく一部の腫瘍細胞がPAS頼粒をもつだけであった.マッソン三重染色では膠原線維は認められなかった.アルシャンブルー染色では腫瘍細胞問には酸性粘液多糖は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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