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特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
上肢の筋萎縮を主症状とする頸部脊椎症の病態と治療成績
著者: 西原伸治1 中原進之介2 田辺剛造2 今井健3 島田公雄4 村川浩正4
所属機関: 1成羽病院整形外科 2岡山大学整形外科 3竜操整形外科病院 4岡山労災病院整形外科
ページ範囲:P.389 - P.394
文献購入ページに移動頸部脊椎症に上肢の筋萎縮をみることは稀ではない.その多くは頸部神経根脊髄症によるものであり,脊髄前角から椎間孔内のradicular nerveに至る下位運動ニューロンの障害が筋萎縮の直接の原因と考えられている.この2次ニューロンが単独に侵されれば,上肢の解離性運動障害が出現する.しかし,通常はこれに脊髄白質や後根の障害が加わるため,long tract signや知覚障害が出現し,臨床像は多彩に修飾される.したがって,治療に際しては,脊髄症状と根症状の鑑別,および正確な神経根圧迫部位の決定が極めて重要である.しかし,今日までそれらの病態を詳細に鑑別しうる診断技術は確立されておらず,幾つかの検査を総合的に判断することでそれらの不確実性を補ってきた.
このたび,われわれは上肢の筋萎縮を主症状とする頸部脊椎症の観血的治療例をふりかえり,神経学的検査およびX線検査よりその病態を検討し,手術成績との関連を追求したので報告する.
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