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特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
頸部脊椎症に対する前方固定手術後の長期経過例のX線学的検討—特に固定範囲内の骨棘の変化について
著者: 野原裕12 金田清志1 小熊忠教1 佐藤栄修1 鐙邦芳1 遠藤康治1
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科教室 2美唄労災病院
ページ範囲:P.441 - P.448
文献購入ページに移動頸部脊椎症の観血的療法として,頸椎前方固定術は最もよく使われている術式である.頸椎前方固定術は1952年にBailey & Badgley2)が頸椎巨細胞腫の症例に後方固定術と併用し施行したのが最初であろう.その後,頸椎椎間板ヘルニアや頸部脊椎症に対しても前方固定術が応用されはじめ,Robinson & Smith13),Cloward3),Bailey & Badgley2),Simmondsら16)の報告が相次いだ.当時,頸椎前方固定術は主として頸部痛や上肢症状の治療に対し施されていた.本邦では,近藤ら8)が頸部脊椎症性Myelopathyへの前方固定術を述べ,恩地ら12)はこの治療成績について報告し,前方固定術の優秀性を示した.以来,本邦でも広く応用されるに至り,さらに整形外科領域にair drillが導入されてから椎間板摘出固定だけでなく,椎体亜全摘,骨棘の切除が積極的に行われるようになった6,7).しかし,Robinson14,15)は骨棘は切除せず,椎体固定が完成すると骨棘はremodelingされ吸収されていくとし,これに同調しているものも多数あり1,4),骨棘切除の必要性に関する議論が生まれた.この結論はいまだ不明である.
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