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特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
頸部脊椎症性脊髄症に対する手術法の選択と手術成績
著者: 白石建1 平林洌1 若野紘一1 里見和彦1 斉藤正史1 大熊哲夫1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.509 - P.515
文献購入ページに移動頸椎症性脊髄症の治療成績は,その手術法の発展に伴って向上してきた.とくに,本来radiculopathyに効果があるとされていた前方除圧兼固定術が,air drillの開発によって,従来椎弓切除術の適応であったmyelopathyにも広く行われるようになり,治療成績は飛躍的に向上した.従って昭和40年代は,ややもすれば前方侵襲法一辺倒になりがちであった.しかし,それらによる成績不良例や再手術を余儀なくされた症例が蓄積されてゆくに従い,50年代には改めて後方侵襲法の適応が再認識されるに至り,症例によって両法を使い分けるようになってすでに久しい.
我々の教室でも既に報告してきた通り4,6,7,17),本疾患に対する手術法にこのような変遷を辿りながら,治療成績の向上に努力してきた.今回も,我々が行ってきた手術法の選択がはたして妥当であったかを検討するために,最近8年間の手術例を調査し,いささかの知見を得たのでここに報告する.
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