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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻5号

1984年05月発行

文献概要

論述

悪性線維性組織球腫22例の臨床病理学的検討

著者: 松本誠一1 川口智義1 網野勝久1 磯辺靖1 真鍋淳1 北川知行2 古屋光太郎3 和田成仁3

所属機関: 1癌研究会附属病院整形外科 2癌研究会附属病院病理部 3東京医科歯科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.520 - P.532

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 悪性線維性組織球腫(以下MFHと略す)に関する報告は近年多数みられるが,それらのほとんどが病理組織学的な面からのものであり,臨床学的な面から本症に触れた報告は少ない.我々は最近経験した本症をもとに,臨床診断上の問題点ならびに治療成績について報告する.
 症例は我々が1982年9月以前に治療を開始し,8ヵ月以上経過を観察し得た22例である(表1).内訳は軟部MFH 20例,骨MFH 2例である.軟部MFHの初発部位は図1のごとくであり,4例のpostradiation sarcomaが含まれている.このうちpostradiation sarcomaの2例および前腕部発生例は,当科初診時,多発転移あるいは巨大な腫瘍のため,根治術は不可能であった.骨MFHの発生部位は,上腕骨遠位および大腿骨遠位であった.当科初診時の年齢は24〜77歳,平均56歳であった.最年少の24歳の症例は,postradiation sarcoma例であった。症状発現から当科初診までの期間は2ヵ月から6年,22例中8例が1〜3回の再発例であった.軟部MFHの主訴のほとんどは,無痛性の腫瘤形成であったが,2例で腫瘤ははっきりせず,それぞれ大腿部の腫脹と局所の炎症所見が主訴であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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