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論述
悪性線維性組織球腫22例の臨床病理学的検討
著者: 松本誠一1 川口智義1 網野勝久1 磯辺靖1 真鍋淳1 北川知行2 古屋光太郎3 和田成仁3
所属機関: 1癌研究会附属病院整形外科 2癌研究会附属病院病理部 3東京医科歯科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.520 - P.532
文献購入ページに移動症例は我々が1982年9月以前に治療を開始し,8ヵ月以上経過を観察し得た22例である(表1).内訳は軟部MFH 20例,骨MFH 2例である.軟部MFHの初発部位は図1のごとくであり,4例のpostradiation sarcomaが含まれている.このうちpostradiation sarcomaの2例および前腕部発生例は,当科初診時,多発転移あるいは巨大な腫瘍のため,根治術は不可能であった.骨MFHの発生部位は,上腕骨遠位および大腿骨遠位であった.当科初診時の年齢は24〜77歳,平均56歳であった.最年少の24歳の症例は,postradiation sarcoma例であった。症状発現から当科初診までの期間は2ヵ月から6年,22例中8例が1〜3回の再発例であった.軟部MFHの主訴のほとんどは,無痛性の腫瘤形成であったが,2例で腫瘤ははっきりせず,それぞれ大腿部の腫脹と局所の炎症所見が主訴であった.
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