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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻5号

1984年05月発行

文献概要

論述

足関節前方引出し徴候と距骨の回旋

著者: 斉田通則1 佐々木鉄人1 須々田幸一1 八木知徳1 門司順一1 安田和則1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.553 - P.558

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はじめに
 足関節外側の靱帯支持組織は,前距腓靱帯と踵腓靱帯が主たるものであるが,しばしばこれらの機能不全状態により足関節不安定性を生ずる.この足関節不安定性の診断には,前方引出しanterior drawer signやTalar Tiltなどの足関節異常可動性をX線学的に証明する方法が,従来より汎用されてきた.一般に,前方引出しは前距腓靱帯の,Talar Tiltは前距腓靱帯と踵腓靱帯の不全状態を反映すると考えられている(図1)2,4,8)
 一方,これら前方引出しや,Talar Tiltといった足関節異常可動性に加え,外側靱帯支持組織の機能不全の際に,距骨の回旋もおこっていることが注目されてきた.Rusmussen(1981)は,足関節異常可動性のひとつとしての距骨の内旋運動を,切断下肢を用いた実験で証明し,Anterolateral Rotational Instabilityという概念を報告した12).しかし,前方引出しや,Talar Tiltが,足関節不安定性の診断法として重要視されているのに対し,距骨の内旋運動を臨床的に計測した報告は,渉猟しえた限りない.著者らは,足関節外側靱帯支持組織の不全状態でみられる距骨の内旋を,X線学的に計測する方法を考案し,前方引出しとの関係について検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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