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特集 小児股関節(第22回先天股脱研究会より)
ソルター骨盤骨切り術後の臼蓋発育の推移
著者: 増田武志1 東輝彦1 高橋賢1 長谷川功1 松野丈夫1 山元功1 平井和樹2 深沢雅則3 一岡義章3 紺野拓志4
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道整形外科記念病院 3札幌鉄道病院整形外科 4国立西札幌病院整形外科
ページ範囲:P.695 - P.701
文献購入ページに移動ソルターの骨盤骨切り術は先天股脱の整復に際しての不安定性を取り除く目的で,そして遺残亜脱においても,臼蓋の発育方向を変える目的でなされている10).その成績についてはSalter自身および多くの人々によって報告されている4,5,6,11,12).本手術の利点は,臼蓋が異常方向になっていることを修正することによって,股関節の安定性を獲得することであり11),さらにこのように安定性の得られた股関節においては,正常の荷重によって骨頭および臼蓋の発育が促されることである.このような意味においても本手術の術後経過には注意をはらう必要がある.
今回は,本手術後の臼蓋発育の推移をみる目的で,当科において本手術施行例で,5年以上経過し,経時的に臼蓋の発育を観察し得た症例についての結果を報告する.
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