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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科19巻6号

1984年06月発行

文献概要

整形外科を育てた人達 第16回

Sir Robert Jones(1857-1933)

著者: 天児民和1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.714 - P.717

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 英国の整形外科はWiliam Littleと接骨師の家系から医師となったHugh Owen Thomasの二人によって開拓された.そして英国整形外科学会の初代の会長はLittleの息子のMuirhead Littleで副会長がSir Robert Jonesであった事は既に書いたが,このRobert JonesはHugh Owen Thomasの甥に当っている.Thomas夫人の兄弟の子供であるRobert Jonesは1857年Walesの北の海岸の小さな町Rhylで生れた.伯父のHugh Owen Thomasは接骨師に満足せず,勉強をして医師となりLiverpoolのNelson Streetに病院を持ち非常に繁盛していたが,Robert Jonesも外科の修練を受け1878年若くして医師の資格を与えられた.更に1889年にRoyal College of Surgeons of Edinburghのメンバーとなることができた.その頃よりLiverpool Stanley Hospitalの外科主任となり働き盛りの40歳であったので,毎日午後に20以上の手術をしていた.その後Royal Southern Hospitalの外科も担当することになり,多忙であったが彼はよく頑張った.その間に外国からも見学者が訪ねて来た,当時は石炭酸による制腐手術であったが,その見学者の中に米国のMayo ClinicからMayo兄弟のWilliamとCharlesの名も見出すことができる.Robert Jonesの得意な手術は主としてosteotomy,osteoclasis,arthrodesis等であった.勿論腱の手術もあったが骨の手術は当時としては見学者は驚いていたらしい.しかし手術を要する患者は多く集まり,午後に開始した手術も夜になることも多く,病室回診が深夜となり患者が驚いたことも少なくなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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