文献詳細
文献概要
論述
脊柱後彎症に対する手術的治療法とその成績
著者: 大谷清1 米山芳夫1 相原忠彦1 田中昭彦1 藤井英治1 中井定明1 柴崎啓一1 千葉英史1
所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科
ページ範囲:P.875 - P.884
文献購入ページに移動日常臨床で脊柱後彎症患者に遭遇する機会は少ない.しかし,側彎症と比べた場合に,脊柱後彎のもたらす弊害は少なくなく,しかも重篤なものになり易い.なかんずく,脊髄麻痺は最も注目しなければならない合併症である.一方,後彎症に対する治療は手術的療法に委ねる場合が多いが,手術療法とて容易でないばかりか画一的にきめ難い.例えば脊柱後彎の最も重要な合併症である脊髄麻痺合併例に対して脊髄麻痺の原因を探求した上で,より効果的で安全な手術法の選択が望まれる.Metrizamide myelographyの普及により後彎と脊髄の関係についてより詳細な観察が可能となったことは幸いである.脊柱後彎症に対しては病態を十分把握した上で,個々の症例に応じた手術法を選択しなければならない.
本稿では様々の病因と病態の脊柱後彎症に対する我々の手術経験とその成績を報告し,合わせて手術法の選択,適応に関する我々の見解を述べる.
掲載誌情報