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論述
骨移植を併用した人工膝関節置換術について
著者: 龍順之助1 河野洋平1 小林茂夫1 川野寿1 鳥山貞宜1
所属機関: 1日本大学医学部整形外科教室
ページ範囲:P.999 - P.1006
文献購入ページに移動人工膝関節置換術(total knee replacement,TKR)は近年多くの施設で数多く行われており比較的安定した成績が得られている.慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)や変形性関節症(osteoarthritis,OA)などで膝関節部の骨欠損の高度な症例に対するTKRは骨欠損部の処置のためにしばしば手術に難渋する.TKRの手術の際,脛骨側骨欠損部が浅く狭小な場合は一般に骨セメントが充填されるが,骨欠損部が大なる場合,その処置につきいくつかの方法が報告されている.その方法は脛骨骨破壊部分を含めて骨切除し厚い脛骨componentの人工関節を使用する方法,内外側で厚さの異る段違い脛骨componentを使用する方法10),スクリューや金属メッシュをアンカーとして骨セメントを充填する方法4,5,7),自家骨移植を行う方法2,10)等が報告されている.骨欠損部に骨移植を行う方法は人工股関節置換術においてはよく用いられる方法であるが,TKRにおいてはあまり用いられておらず,その精細な方法,結果についての報告も少ない.そこで今回,骨破壊の高度な症例および人工膝関節再置換の際に生じる深く範囲の広い骨欠損に対し骨移植を併用してTKRを行ったので,その方法の精細及び結果について報告する.
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