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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科2巻10号

1967年10月発行

文献概要

臨床経験

多発性結節性黄色腫の2例

著者: 新野徳1 豊島義彦1

所属機関: 1徳島大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1037 - P.1041

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 黄色腫は1835年Rayerにより初めて眼瞼黄色斑として報告され,1896年SmithによつてXanthomaと呼称されている.黄色腫は肝臓その他の新陳代謝障害から血液中にコレステリンが増加し,結合組織細胞,血管内皮細胞,血管外膜細胞などがこれを摂取して黄色腫細胞を生じ,これが黄色腫を形成すると考えられている.本症は皮膚ことに眼瞼に生ずるものが多く,扁平なものと腫瘤状のものがあり,しばしば両者の併発をみることがある.皮膚に生じた黄色腫についてはかなりの報告をみるが,腱,腱鞘,骨に生じた症例は少なく,本邦では18例にすぎない.この中,アキレス腱に発生したものはこの第1例を含めて12例しか報告されておらず,全体の黄色腫発生例数に比してその割合は非常に少ない.
 われわれは,眼瞼,両側手指伸筋腱,両側肘頭部,両膝蓋靱帯ならびに両側アキレス腱に発生した1例と,両側手指背側,両側肘頭部,両側膝蓋靱帯ならびに両側趾背側に発生した1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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