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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科2巻3号

1967年03月発行

文献概要

検査法

オートラジオグラフィー—とくにミクロオートラジオグラフィーの作りかた

著者: 伊丹康人1 大森薫雄1

所属機関: 1慈恵医大整形外科

ページ範囲:P.341 - P.347

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はじめに
 近年核医学の進歩により,各種の放射性同位元素(ラジオアイソトープ)が,容易に入手できるようになつた.ラジオアイソトープは,一般の元素と同一の化学的性質でありながら,放射能を有するところに特徴がある.したがつて,これを追跡子(トレサー)として用いることにより,いろいろな元素,またはこれらの元素を含む化合物の動態を,その放射能を目印として追跡することが出来るわけである.ところで,ラジオアイソトープの有無や,その量,ならびに位置を知るための追跡法にはいろいろな方法がある.その中で,写真乳剤をその測定器とする方法をオートラジオグラフィーといつている.この方法には次にのべるような,他の測定器にはみられないいくつかの特徴がある.すなわち,
(1)常に放射能を検出し得る状態にあつて,しかも検出能力が著しく高い.
(2)標本と対照しながらアイソトープの分布図をかなり精密にとらえることが出来る.
(3)取扱いが簡便で,特殊な測定装置を必要としない.
(4)測定結果を永く保存出来る.
(5)経費は比較的安い.
などである.
 以上のことから,近年生物学,医学などの分野で広く利用され,物質代謝機構の究明に一段とその偉力を発揮し,また欠くべからざる研究力法の1つともなつている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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