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関節滑液膜の炎症—生検の立場から
著者: 三友善夫1
所属機関: 1東京医科医科大学(病理)
ページ範囲:P.405 - P.413
文献購入ページに移動近年,関節疾患は欧米に於てとみに増加の傾向があり,United States Public Health Serviceの統計によると,1949年の関節疾患の患者数10,845,000に対して1965年ではおよそ40,000,000以上の関節疾患の患者が存在すると推定され,60才以上の老年層では85%以上のものが何らかの関節疾患を有していると言われる.我が国でも平均寿命の延長とともに労働年令がのび,関節疾患が老人病の対象の1つとして関心と注目を少しずつもたれている.また剖検や生検の材料をみても関節疾患に遭遇する機会が増加しているように思われる.
本文では最近10年間(1956-1966)に東京医科歯科大学中央臨床検査部病理検査室で検索した生検材料および手術材料を中心として,関節を構成する組織に見出される病変の中で,非腫瘍性病変,なかでも関節滑液膜にみられる炎症性病変をとり上げて病理組織学的検討を加え,同時に臨床検査材料を臨床病理学的に分析し,さらに関節に見出される炎症性病変をよりよく理解するために関節の構造の年令的変化についても言及した.
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