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Ochronotic Arthropathyについて—特に病理組織変化を中心に
著者: 広畑和志1 小林郁雄1
所属機関: 1神戸大学医学部整形外科
ページ範囲:P.709 - P.718
文献購入ページに移動アルカプトン尿症は遺伝性代謝疾患であり,ochronosisあるいはochronotic arthropathyの病名はそれに引き続いておこつた,いわば,変化した結合織の状態に対してつけられたものである.
O'Brienらの広汎な文献的考察によれば,1584年Scriboniusのアルカプトン尿症の最初の記載からVirchow(1866年)のochronosisの命名を経て1963年までの間に世界35ヵ国から,これらの疾患の604例が報告されている.本邦でもAbeら,池内,山本らの代表的なものを含めて,約20数例が報告されているが,比較的珍しい疾患の一つである.アルカプトン尿の出現に関しては,すでに多くの生化学的研究によつて明らかにされているごとく,tyrosine,phenylalanineの中間代謝産物であるhomogentisic acidの分解酵素のhomogentisic acid oxidase(homogentisicase)(La Du)の欠如によることは一致した見解となつている.
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