icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科2巻7号

1967年07月発行

文献概要

手術手技

脳性麻痺に対する手術的療法—主として下肢に対する手術について

著者: 深瀬宏1

所属機関: 1聖ヨゼフ整肢園

ページ範囲:P.743 - P.754

文献購入ページに移動
はじめに
 脳性麻痺の治療の根底をなすものはGeneral Rehabilitationである.その目的は筋バラソスの回復による異常姿勢,四肢変形の矯正と随意運動の獲得である.このRehabilitationの効果を増すために手術的療法もまた重要な手段であり,症例を選べば顕著な効果を得ることもできる.しかし手術的療法は,病型,知能,積極性,障害部位により極めて多様であり,その成績にも大きな差がある.
 脳性麻痺は分娩時前後における諸種の原因によって惹起される脳の障害に続発する中枢性の運動機能障害を主徴とする疾患であり,中枢神経または末稍部に対して手術が行なわれているが,中枢神経に対する侵襲は主として全身の筋緊張の減弱を目的としている.末稍部に対する手術は,局部の筋緊張の減弱,変形の矯正を目的としている.中枢神経に対する手術は極めて限られた症例に対して行なわれているにすぎない.またその手術成績もなお満足できることは少ないのが現状であろう.一方,末稍すなわち筋腱,神経,骨関節に対する侵襲は比較的容易であり,侵襲度も適度に加減することもできるし,また,かなり積極的な手術も行なうことができる.著者の手術施行例は昭和38年12月以来,昭和41年9月までの間に91例,239肢に及んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら