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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科2巻9号

1967年09月発行

文献概要

論述

亜急性関節リウマチについて

著者: 七川歓次1 前田晃1 辻本正記1 高橋貞雄1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.907 - P.914

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 慢性関節リウマチと診断され,治療をうけていた症例が,何ヵ月あるいは何年かの経過を経て,まつたく障害を残さずに治癒していることがある.一方,扁桃炎後の急性多発関節炎が長びいて,リウマチ熱よりも慢性関節リウマチの様相を呈してくるが,結局は一定期間後に完全治癒する症例もある.リウマチ性疾患の治療にたずさわる医師は,多少ともこのような良性の経過をたどる多発関節炎を経験している.この良性多発関節炎に注目したRavaultら(1950)は,その病状を分析し,これを成人の亜急性関節リウマチ(Rhumatisme articulaire subaigu de l'adulte)と名付けて,リウマチ熱および慢性関節リウマチから分離した.彼らは数年後,症例の追跡を行なつて,その診断の妥当性を確めている.Ravault et al.(1958),de Sèze(1954)はこの疾患の臨床像が,急性関節リウマチ(リウマチ熱)と慢性関節リウマチの中間的存在であるため,その輪郭の判然としない難点を認めながらも,こういう診断の枠を設けることの実際的な便宜と,リウマチ性関節炎の原因を考える上での意義を強調している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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