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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻1号

1985年01月発行

文献概要

臨床経験

仙骨正中縦裂骨折の1例

著者: 今村安秀1 石塚雅美1 板垣昌樹1 龍順之助1 峯島孝雄1 三井伸夫2

所属機関: 1日本大学医学部整形外科学教室 2三井外科病院

ページ範囲:P.61 - P.64

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 抄録:最近,われわれは,骨盤環骨折の一型で,神経症状を伴わない,仙骨孔が温存された,仙骨正中部での縦骨折を経験したので報告する.症例は,18歳の男子高校生で,交通事故にて,同乗していたオートバイの後部席より落下し受傷した.初診時,殿部痛と腹痛が主症状であり,受傷直後のX線写真で,仙骨正中部での縦骨折と恥骨結合離開,左坐骨骨折を認める以外神経症状も認めず,合併損傷もなかった.治療としては,翌日よりキャンバス牽引,薬剤投与による対症療法を施行し,約7週継続した.受傷後約8週で独歩にて退院した.本症例は,骨盤骨折でも極めて稀な,仙骨孔が温存された仙骨正中部での縦骨折である.そのために神経症状を伴わず,また仙骨骨折には比較的多いとされている骨盤内臓器損傷等の合併症をも認めなかったことが大きな特徴である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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