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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科20巻1号

1985年01月発行

文献概要

臨床経験

頑固な尾骨痛を主訴とした馬尾神経腫瘍の1例

著者: 伊藤博一1 植家毅1 高井康男1 榊原孝夫1

所属機関: 1名古屋市立城西病院整形外科

ページ範囲:P.65 - P.69

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 抄録 症例:18歳,女子.4年来,頑固な尾骨痛があり坐位不能に至った.臨床検査においては特に神経脱落症状は認めなかったが,脊髄造影にて第1仙椎高位で完全ブロック像を示していた.手術により馬尾神経腫瘍(epidermoid)を摘出し,症状は完全に消失した.考察:馬尾神経腫瘍の臨床症状は腰痛や坐骨神経痛のことが多く,本例のように尾骨痛のみを訴える例は稀である.しかし馬尾神経腫瘍には突然の夜間痛や夜間の俳徊などの奇異な症状を呈することがあり,また解剖学的特性により神経症状が軽度の場合も多いので,診断には注意を要する.一方,尾骨痛の原因として椎間板ヘルニア,馬尾神経腫瘍,sacral rhizopathyなどが報告されており,特に誘因なく頑固な尾骨痛を訴える場合には,馬尾神経部の病変も考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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