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臨床経験
Arnold-Chiari Malformationによる神経病性肩関節症の1例
著者: 須藤啓広1 舘靖彦1 西村龍彩1 中川重範1 塩川靖夫1 荻原義郎1 鶴田登代志1
所属機関: 1三重大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.71 - P.74
文献購入ページに移動症例:57歳女性.昭和58年7月以来の右肩関節部腫脹,鈍痛を主訴として8月9日当科を受診した.右肩関節は著明に腫脹し,発赤,熱感を有するも疼痛の訴えは少なかった.神経学的には片側性に温痛覚,触覚の低下があり,PSRは両側とも亢進し,Babinski反射が右で陽性であった.入院時検査では梅毒反応陰性,空腹時血糖正常,尿糖陰性であった.単純X線像では右上腕骨の著明な骨破壊像と多くの遊離体を認めた.又,Myelographyで小脳扁桃によると思われるC1までの陰影欠損があり,6時間後のCTでC3〜C6までの中心管に造影剤貯留を認めた.以上より上記疾患が考えられたので,8月25日Resection Arthroplastyが施行された.その後,脳神経外科にて,後頭下開頭術,椎弓切除術及び空洞〜くも膜下腔シャント術が施行され,目下経過観察中である.
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